どうやら、医療現場に、静かに、そして確実に生成AIの波が押し寄せているようです。
CareNetや日経メディカルなどで、生成AI系の記事を眼にすることが多くなったと感じています。
ぼくも最近、生成AIを使おうと思い、勉強を始めました。
理由はシンプルに「なんかAIが流行ってるっぽいから」。
しかし、独学にはどうしても限界を感じていました。
ネットでも生成AIの使い方は簡単に調べられますが、情報が溢れていたり、いろいろな生成AIが次々とおすすめされていたり…
そもそも、AIを使って何をしたいのか、自分でもわからなくなってしまっていました。
そんななかで手に取ったのが今回紹介する2冊。
この2冊こそ、「生成AIを仕事で使ってみたい!」と考えている先生に最適な本だと思います。
この記事では、それぞれの本の内容とその違いについて簡単に解説しています。
この記事はこんな先生にオススメです!
- 生成AIが流行し始めたのは察知しているが、実際に使っている人が周りにいない
- 生成AIを使ってみたいが、どんな場面で使えるのかいまいちイメージできない
- とりあえず手軽なところから生成AIを試してみたい
医師による医師のためのChatGPT入門
『医師による医師のためのChatGPT入門』では、「論文を読む」「発表スライドを作る」といった、アカデミックな業務での使い方の解説に多くのページが割かれています。
ぼくが生成AIに期待していたのは、まさにこういった内容でした。
- 学会抄録を作らせる
- 誤字脱字を探させる
- 論文を解説させる
- 発表テーマについての一般論をまとめたスライドを作成させる
これらは、書籍で紹介されているうちの一部です。
この本で紹介されている方法で、実際にスライドを作成してみました。
いつも手間がかかってしまう「検査値を表にまとめる」作業でしたが、ホントに楽々完成しました。
白血球数とかCRPとか、一つずつ項目作って数値を入れてパワーポイントの表にするのは時間がかかるうえに無駄な作業だね。そこはAIの力を借りて効率化しよう
大塚篤司「医師による医師のためのChatGPT入門」
iPhoneの標準機能+ChatGPTで簡単に作成することができました。
100%の性能!というわけではなく、細かい誤字(『μ』が『u』になったり)はありましたが、気になるほどではありません。
手入力だと20〜30分はかかっていたはずですし、半角と全角を打ち分けるのに疲れ切ってしまったはずのところ、10分たらずで完成できました。
医療者のためのChatGPT
『医療者のためのChatGPT』では、アカデミックなものでは「研究アイデアのブラッシュアップ」「研究計画書の作成」「論文投稿・査読対応」などでの生成AI活用法について触れられています。
また、「当直表の作成」「学生の評価」「マニュアルづくり」といった、「雑用寄り」な業務での生成AIの役立て方についても解説されています。
確かに、こういった「頭は使わないけれど単純作業で時間がかかる」部分こそ、生成AIに任せやすい部分なのかもしれません。
ちなみに、著者の松井健太郎先生が生成AIの使い方について講演されていたのを聴いたことがありますが…
生成AIをアカデミックな業務で使うことについての圧倒的な経験と知識量が伝わり、震えました。
生成AI、第一歩を踏み出そう
今の時代、「生成AIを使いこなせれば、業務効率化につながる」のは当たり前になりつつあるようです。
むしろ、ここからは「生成AIを使えない人は仕事ができない」なんて言われてしまうようになる可能性すら感じています。
すでにあるAIサービスを、日々の診療に気軽に、手軽に取り入れるところから始めてみませんか?